NO MORE TRAGEDY

小山田亮はNYで語学留学中にニューヨーク市警のパトカーに撥ねられて、24歳の若さで命を落としました。遺族は亮の死に関する真実を明らかにするために、ニューヨーク市警とパトカーの運転手を相手に訴訟を起こしています。このブログでは亮の事故に関係する記事を投稿しています。ウェブサイトもご覧ください。http://oyamada.weebly.com/

亮君のお別れ会

今回は2013年4月7日に行われた亮君を送る会の事を、そこで感じた事と共に少し書きたいと思います。私は亮君と亮君のお姉さんの友人としてお別れ会に参加させていただきました。

 

私がご家族にお会いした時、ご家族は帰国後、悲しみに押しつぶされそうになりながら、裁判の準備に追われていました。

本当の事故の詳細を知る為の唯一の手段が裁判であるという現実に、とにかく向き合っていらっしゃいました。

私達が普段生活するにあたって、裁判というものは身近ではありません。それは小山田さんご家族にとっても、例外ではないはずです。そして、唯一の息子さんを失い、海外での裁判という、言葉で表現しきれないほどの悲しみと苦しみ、そして不安と共に日々を過ごされているという事が、痛いほど感じられました。

 

そんな中、ご家族は少しでも前を向く為、ご家族の中で亮君の死を必死に受け止め、無理やりにでも心を前に進ませる為、亮君のお別れ会を開くことを決断されました。

 

亮君は事故後、ニュージャージーにおいて荼毘に付され、ご家族は亮君の遺骨と共に日本に帰国されました。

 

父、司さんがおっしゃっているように亮君の遺体は損傷が激しく、とても対面してもらえるような状態ではなかったそうです。しかし、遠く離れた日本で、亮君の帰りを待ち望んでいた友人達の希望も重なり、お別れ会は実現しました。そして、私もその友人の一人です。

 

 

4月7日、前日から降り続いた雨は止み、晴天となった日の午後、

兵庫県垂水区の、亮君が大好きだった海の見える場所で亮君のお別れ会は執り行われました。

 

 

会場には、亮君の生前の生命力溢れる写真や、亮君が撮った刺激的なNYの写真が置かれ、集まった人達は思い出を語らいながら亮君の足跡に触れました。

 

亮君の遺骨と遺影の前に立ち、一人ずつ花を手向けました。

 

その若すぎる彼の突然の死を目の前にし、誰もが悲しみ、戸惑い、その死を受け止めきれず、信じられない想いで一杯でした。

 

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会の中では、亮君の友人が作成したスライドショーが流されました。亮君が独自の目線で捉えたNYの写真が、いかに亮君がNYに思いを馳せていたか、夢一杯の充実した日々を過ごしていたかを生き生きと物語っていました。

 

友人や元職場の方からの亮君へのメッセージも贈られ、亮君の、周りを明るくする笑顔や、人懐っこい性格、心優しい行動が思い出されました。そして、同時にこのように素晴らしい人がこういう形で命を奪われてしまったことへの無念さ・悔しさが改めて募りました。

そして父、司さんが謝辞を述べられました。

この突然の悲しみと衝撃は、子を持ったことのない私にでさえ、痛烈な痛みを感じることであるのに、最愛の子供を失い、悲しみと喪失感に耐えながらこの現実を生きていくこと、それは想像を絶する、言葉になど表せないほどの心境だろうと思いました。

 

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そして、生前亮君と親交のあった友人達123名で、風船を空に放ち、亮君の人生を祝福し、亮君を天国へと送りました。風の強い日で、風船はあっという間に風に浚われていきました。

 

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亮君は親孝行をしたい、成長したい、その思いの高鳴りと比例して今まで以上にNYで努力を重ねていました。学校では、どんどん上級クラスへ上がり、父、司さんに『勉強することや学校に行くことがこれほど楽しい事とは知らなかった』とメールが来たこともあったそうです。

 

この日、集まった人達は皆、一回り大きくなった亮君に会うのを楽しみにしていた人達ばかりです。

 

メッセージを贈った亮君の友人のお言葉を借りるなら、彼らは皆、これからの人生の節目節目を共に迎え、刺激し合い、感動や試練を重ね、共に生きていくはずだったのです。

 

そして、それはきっと実現するはずだったのです。

 

志半ばの亮君の命を無残に奪い、温かい、愛情あふれる小山田さん一家を絶望へと追いやったニューヨーク市警。その上、現在にも至るその誠意の無い態度は、本当に理解に苦しみます。

 

アメリカの社会制度では難しいのかもしれませんが、ご遺族が前に進むためにも、早急に裁判が進み、真実が明らかになることを願うばかりです。

 

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