NO MORE TRAGEDY

小山田亮はNYで語学留学中にニューヨーク市警のパトカーに撥ねられて、24歳の若さで命を落としました。遺族は亮の死に関する真実を明らかにするために、ニューヨーク市警とパトカーの運転手を相手に訴訟を起こしています。このブログでは亮の事故に関係する記事を投稿しています。ウェブサイトもご覧ください。http://oyamada.weebly.com/

マシューさんの事故から2年

 

NYの交通事故の現状では、加害者に無免許や飲酒運転等の過失がある場合でも、それが死に至る事故でも、警察の調査が適切になされない為に、過失のある運転手が罪に問われない事故が見られます。

事故後早々に犯罪性無しという発表が出されている状況をよく目にします

警察が報道に対し、犯罪性無し、過失が認められないと発表しても、家族にはその理由や調査の内容の情報が与えられないのは何故でしょうか。

 

今日10月18日で、マシュー・レフェブレさんがトラックにはねられ亡くなった事故から2年が経ちます。

マシュー・レフェブレさんはカナダ出身、NY在住のアーティストで、事故当時は30歳でした。 

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 マシュー・レフェブレさん

 

 

マシューさんの作品は、様々な方が評しているように、とてもユニークで、人を楽しませるものでした。

多くの人が、レフェブレさんの新たな作品や、芸術家としての未来を楽しみにしていました。彼はまた、経験豊かなサイクリスト(自転車走行者)でした。

 

 

 

マシューさんは2011年の1018日の夜に、NYのブルックリンで自転車走行中、右折したトラックに巻き込まれ、死に至りました。

 

事故直後、警察は近所に駐車されているトラックを、事故を起こした車両と特定しましたが、運転手については特定していませんでした。 

その後、運転手も特定されましたが、その運転手には過失がない、という発表が早々に出されました。

 

 

 

レフェブレさん遺族は事故後からNYに滞在し、NY市警(NYPD)に問い合わせを続けていたのにも関わらず、運転手に過失が無いという警察の発表を、警察からではなく、報道で知らされました。

 

  

ご遺族は、事故当初から警察に対し、マシューさんの死についての情報や、運転手に過失が無いと判断した理由、その結論に至る調査内容を遺族に知らせるよう求めていました。

 

 

 

マシューさんの母、エリカさんは集会で、NYPDコミッショナーライ ケリー氏とブルームバーグ市長にこの問題について度々訴えて来られました。 

しかし、遺族に調査の内容が知らされないまま、そして運転手は罪が問われないまま、時間が過ぎました。

ご遺族がFOILFreedom of  Information Law)法に従い、事故の背景に関する情報を求めていたにも関わらず、警察は不必要に長い間、情報を公開しませんでした。

 

 

 

 

事故から2ヶ月後、ご遺族は、その警察の遅延行為はFOILに違反するとして、運転手への裁判とは別に、NY市警に対し申し立てを行いました。

申し立てを行うまで、警察は遺族に対し、事故調査員のカメラが偶然にも壊れていたため、事故直後の写真は一切存在しないと説明し、写真の提出はありませんでした。

 

 

しかし、申し立て後にレフェブレさんの弁護士に渡された書類には、警察側の手違いにより、存在しないはずの写真が混じっていました。

そして、後に提出された映像からは、運転手が右折の際にウインカーを出していなかったことがわかりました。

 

マシューさんを轢いたトラックの運転手は、マシューさんの存在に気づかず、轢いた事も、その後マシューさんや自転車をひきずった事も知らないと証言しています。

 

警察が事実を家族に明かさず、警察が加害者をかばう様な行いが容認されているのは何故でしょうか。

 

 

 

亮君の裁判前のカンファレンスは始まりました。しかし、警察は未だ“捜査中”という理由でご家族に調査の内容や事故の証拠を明らかにしていません。

半年以上が経ち、何の捜査に時間が掛かっているのか、明らかにできない理由も明かされていません。

 

 

NYは多くの観光客や生徒達が訪れる街です。

しかし、この状況は生活に大切な、路上の安全が守られるものではありません。

NYでは、多くの人が様々な方面から警察の改善を訴え動いています。そしてNY市警の中にも、この現状を変えようと訴えている人がいます。

  

路上は車、通行人、自転車走行者、子供、お年寄り、皆がルールを守り、共有している場所です。

基本的で当たり前の権利が平等に守られるよう、そして防げる事故を防ぐ為に、多くの被害者や、その家族、友人、支援者が一日も早い改善を求め活動しています。

 

 

 

 

亡くなった方はこの世を去っても、私達の心から去る事はありません。

そしてマシューさんの作品は、今もNY等で展示され、愛され、生き続けています。

 

 

亡くなった命は無駄に亡くなったわけではなく、私達はその命から学び、それを引き継ぐ事ができると思います。

事故について知り、それを伝えていくこともひとつの私達にできることだと思います。

 

 

 

 

 

 

今月、亮君の事故現場の写真が、Queensの地元新聞Queensbridgeusさんに掲載されていました。(紙面の右下のほうです)NYにも秋が訪れ、亮君の事故現場にも秋の花が供えられていました。

 

 

いつも綺麗にしてくださっている方々、お花を供えてくださる近所の方々、そして事故現場に足を運んでくださる方々のお気持ちに、心から感謝しています。                                        

         f:id:help_oyamada:20121208055321j:plain                                                  Photo by Ryo