NO MORE TRAGEDY

小山田亮はNYで語学留学中にニューヨーク市警のパトカーに撥ねられて、24歳の若さで命を落としました。遺族は亮の死に関する真実を明らかにするために、ニューヨーク市警とパトカーの運転手を相手に訴訟を起こしています。このブログでは亮の事故に関係する記事を投稿しています。ウェブサイトもご覧ください。http://oyamada.weebly.com/

裁判の進展へ向けて 

亮君の事故についての記事が出されました。亮君の家族は、新しい弁護士と裁判を闘っていくことを決断されました。新しい弁護士スティーブ・ヴァカロ氏は今回メディアに裁判所に提出した文書を公開しています。 

 

 

 

以下、記事の訳です。

 

 小山田亮さんがクイーンズでスピードを出したパトカーに撥ねられ、24歳の若さで命を奪われてから一年以上経った今月初め、警察はついに、小山田亮さんが死に至った事故に関する調査内容を裁判所に提出した。しかし、小山田さん家族は未だ調査内容を見る事が許されていない。その調査内容には、公文書や、警察側に非がない事を証明する映像であったと市警側が主張する監視カメラ映像も含まれている。

 

小山田さん家族が調査内容を見られないのは、現在までに担当した3人の弁護士のうち二番目の弁護士が、秘密保持命令にサインしたためである。警察無線や、目撃者が撮影したビデオなど、調査資料となっているものは、すでにどこかで公開されたもの、あるいは公的情報であるものだが、その内容は明らかにされていないのである。この秘密保持命令では、原告(今回のケースでは、遺族が800万ドルの賠償金で運転手とNY市警に対し起こしている裁判の代理人となっている人物)のみがその証拠を見る事が許されると述べられている。

(補足:日本に居住している人がアメリカ国内で裁判を起こす場合、アメリカ国内に居住する代理人が必要である。この方はこの裁判において名義上の代理人を引き受けてくれている。)

 

その秘密保持命令は、NY市警側がメディアに対し、この事件に関する資料を公表したりそれについて言及することについては禁じていない。


新しい弁護士であるスティーブ・ヴァカロ氏は、昨晩(4月22日)この秘密保護法令の修正を求め判事へ送った文章で次のように訴えている。

「この明らかに不平等な取り決めは、この保持命令が都合のいいように修正されている事を証明している」
「全面的な秘密保持命令は、この件に関し最も関心を持つ人、つまり小山田さん一家が弁護士から助言を受けることを妨げている。また、被告(NY市)側が小山田亮さんの死について、利己的な言い分をメディアに伝える事については、全く規制されていない。」

 

事故直後、NY市警はニューヨーク・タイムズに対し、事故を起こしたパトカーは「ナイフによる家庭内暴力」の通報に対応中であり、「赤色灯はついていた」と伝えている。そしてABCテレビとフジテレビに対しても、非常灯と同様にサイレンも鳴らしていたと伝えている。またクイーンズブリッジの地域説明会で、警察は「被害者が撥ねられた時にライトが付いていた様子を写しているニューヨーク住宅局の監視カメラが存在する」と発言している。


クイーンズブリッジハウスに取り付けられた防犯カメラは、小山田さんが撥ねられる前に出てきたデリ(目撃者談による)のすぐ外、10ストリートと40アベニューの交差点近くを捉えている。小山田さんがNYに居たのはほんの2,3ヶ月で、彼は轢かれた場所から1ブロック離れた所に住んでいた。その地域の住人たちは、NY市警の車は度々、赤色灯をつけず高速で走行していたと話す。

ある目撃者は小山田さんが撥ねられた時、パトカーの赤色灯やサイレンは見てもいないし、聞いてもいないと話す。「彼らは他の二台のパトカーが来て、サイレンをつけさせるまで、サイレンを鳴らしていなかった。赤色灯もつけていなかった、何もつけていなかったんだ。」と話している。また、ABCテレビは警察が向かっていたとしている家庭争議は、根拠のない通報であったと報じている。



8月に、14歳のシャリバー・ドーズ君を銃で打ち、死に至らしめた警官に対する判決が疑問視された時、当局はその警官の無罪を証明する為、防犯カメラ映像を公開した。

 

ヴァカロ氏はNY市警の調査関連資料を見ているが、それらに関しコメントする事が特別に禁止されている。ヴァカロ氏はメールで、「これら資料は興味深く、この事件に関し理解が深まるものである。この資料からNY市警に対し、十分勝訴できるケースだと認識できる。」とコメントしている。

 

以下はヴァカロ弁護士が判事に宛て送付した文書である。

ヴァカロ弁護士の文書


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今週NY市警が#myNYPDキャンペーンというものを始めました。これは「警官と撮った写真を#myNYPDキャンペーンとハッシュタグをつけてTwitterに投稿しよう」という好意的な写真を求める内容だったのですが、警察による市民への暴力を写した写真が多く投稿される結果となり、波紋を呼んでいます。

ここで、警察に対する市民の不満が募っていることが伺えます。新しい市長になると同時に、新しいコミッショナーを向かえたNY市警ですが、その体質改善を求める声は依然上がり続けています。

 

亮君は、NYに英語を勉強しに行った学生でした。その亮君を死に至らしめた理由を正しく説明し、その証拠を公開することが、市民に信頼され、求められる警察への改善に必要不可欠なのではないでしょうか。

 

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亮君の事故現場(2014年4月に撮影)