NO MORE TRAGEDY

小山田亮はNYで語学留学中にニューヨーク市警のパトカーに撥ねられて、24歳の若さで命を落としました。遺族は亮の死に関する真実を明らかにするために、ニューヨーク市警とパトカーの運転手を相手に訴訟を起こしています。このブログでは亮の事故に関係する記事を投稿しています。ウェブサイトもご覧ください。http://oyamada.weebly.com/

DMVによる審理開催を求めて

法で求められているにも関わらず、未だ行われていないDMVによる審理を亮君の家族が要求している件について、Gothamistから記事が出ました。


Family Of Pedestrian Killed By Cop Demands DMV Hearing: Gothamist

以下、記事の全文訳です。

 ーーーーーーーーーーーーーーーーー

2013年、警察官に撥ねられ死亡した24歳の日本人留学生、小山田亮さんの家族は、DMV-自動車省(日本では陸運局と同様の業務を行う州の機関)に対し、運転手の免許維持の許可の有無に関する審理を来月開催するよう求めている。これらの審理は、致死事故から1年以内に開催されるよう法で定められているが、DMVは未だ、(2013年2月にクィーンズブリッジで)亮さんを撥ねて死に至らしめたダレン・イラルディ警官に対し審理を設定していない。 

 

目撃者証言とビデオから明らかになっているイラルディ警官の証言の矛盾にも関わらず、イラルディ警官に過失は無かったものとNY市警は判断している。現段階でこの審理は、連邦裁判を待っている小山田さん家族にとって、少しでもの公正さを見出す希望となるものである。

 

小山田さん家族が、事故から2年のメモリアルを行うためにアメリカに来る時期に、審理を開催するよう、家族の弁護士スティーブ・ヴァカロ氏は今日DMVに要求した。「これらの審理は、危険な運転手に責任を持たせる為の重要な手段です。」とヴァカロ氏は先月本紙に話していた。ヴァカロ氏は、もし主な事故の責任が被害者側にあるという事を、警察が証拠により示唆した場合には、DMVは審理を控える事が可能であると話す。

 

事故当初のNY市警は、イラルディ警官の車両の赤色灯は、事故発生時も含め、点灯していたという主張をしていた。しかし、その主張は監視カメラ映像により異議を投げかけられている。ヴァカロ氏はDMVが亮さんの過失に関する証拠の再検討を行う事を望んでいる。

 

また、2013年に3歳のアリソン・リャオちゃんを死に至らしめた運転手の交通違反チケットが、DMVにより無効にされた一件の後、DMVは、「州内で致死事故が起きたいかなる場合にも、DMVは特別審理を設定するものである」と、声明を発表している。ヴァカロ氏はリャオさんのケースと、交通事故により死に至らしめられたサイクリストのマシュー・レフェブレさんのケースに対し、DMVが審理を持つよう市民から抗議があった事にも触れ、DMVにその声明を守るよう求めるつもりである。

「小山田さん家族がニューヨークに滞在中にこの審理を開いてもらえるかどうかが問題です。審理では家族に参加する機会が与えられます。」とヴァカロ氏は話す。

ヴァカロ氏はまた、イラルディ警官の同乗者であるカーマン警官も審理に参加させる事を要求している。「警察が事故現場から目撃者を解散させた事により、事故の目撃者は断定されていません。それは我々が警察による隠蔽を示すものの一つと主張しているものです。カーマン警官は車に同乗していたので、彼は証言者となりえます。我々は彼がこのDMVの審理で証言を行うべきだと考えています。もしその証言が提示されれば、この事故のNY市警の不信な調査業務に世間が注目するでしょう。」と話した。

 

 

昨日、小山田さんのケースでは、カーマン警官とその他幾人かの警官らの証言の公的開示を求める審理が州裁判所で行われていた。

「現時点では、イラルディ警官の証言のみが公に開示可能なものとなっています。私達は、情報は市民に開示されるべきであると考えています。特に、NYPDの任務におけるNY市警に関してなされる議論については、市民に知る権利があると考えています。彼らのうちの一人が訴えられている時、NY市警の調査がいかに不正であるかを市民が知る事は非常に重要です。」とヴァカロ氏は話した。

 

本紙はDMVにコメントを求めたが、未だ回答は得られていない。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

現在、亮君のご家族は連邦裁判所(federal court)で民事訴訟を起こしていますが、州の機関DMVによる審理では継続中の裁判とは別に、運転手の免許維持や違反への罰金について判断されます。記事の最後に書かれていた州裁判所(state court)で行われている審理では、事故の調査に関する情報が現在、守秘とされているため、フリーダムオブインフォメーション法により、調査内容を市民に開示する事を求め審理が行われています。

 

市民を死に至らしめた警察官への不起訴処分から、ニューヨークでは去年の暮れから引き続き抗議活動が続いています。市民は一部の警察官による人権の侵害や、それに対する法のあり方、不起訴にまつわる情報の開示を求め、抗議を続けています。

また、ニューヨークの交通事故被害者家族で作られたファミリーズフォーセーフストリート(Families for Safe Street)も現在、警察と検察に対し公平で正しい調査、そして過失により人を死に至らしめた運転手に対し起訴を求め、活動を続けています。

記事にも書かれている3歳のアリソン・リャオちゃんは、青信号であったにもかかわらず、横断歩道でおばあさんと手を繋いで歩いている時に、左折して来た車両に轢かれ命を失いました。公平な判決を求める市民からの強い要請のもと、アリソンちゃんの事故に関するDNVの審理は今月6日に開かれました。失った家族の正義を求める思いだけではなく、同じ悲劇が繰り返されない未来を願い活動している多くの人がいます。

 

 こうしてブログを書いている私たちも、亮君のご家族がDMVにおける審理の機会を得られるための署名運動立ち上げを考えています。

近いうちに改めて報告させて頂きますので、その際には是非ともご協力をお願いします。 

 

f:id:help_oyamada:20121121060832j:plain