NO MORE TRAGEDY

小山田亮はNYで語学留学中にニューヨーク市警のパトカーに撥ねられて、24歳の若さで命を落としました。遺族は亮の死に関する真実を明らかにするために、ニューヨーク市警とパトカーの運転手を相手に訴訟を起こしています。このブログでは亮の事故に関係する記事を投稿しています。ウェブサイトもご覧ください。http://oyamada.weebly.com/

最近のNYでの判例

ご無沙汰しています。小山田亮君の裁判に関してはお伝えできるような動きが少なく、ブログ更新が滞っていました。今回は、亮君の裁判の進展への願いをこめて、希望が持てるような判決が下った2つの判例について紹介したいと思います。

 

一つは、以前にも何度か紹介したアリソン・リャオちゃんの裁判です。アリソンちゃんは、2013年10月にクイーンズの交差点をお祖母さんと横断中に車に轢かれ、幼い命を落としました。当時アリソンちゃんはまだ3歳でした。

事故後、事故の原因はお祖母さんがアリソンちゃんの手を離して飛び出したことにあるとされ、報道されていました。その後、アリソンちゃんを轢いた運転手には交通違反の切符も切られませんでした。また、今年1月に行われたDMV(運輸局)の審理では運転手の免許失効が言い渡されましたが、その失効期間はたった30日間だけに留まっていました。(Gothamistより

先月、この事故に対しての民事裁判の判決が出ました(参照記事:Gothamist)。これはアリソンちゃんの家族が運転手に対して起こした裁判で、運転手に対しての責任追及が争われていました。裁判の結果、加害者は今後5年間運転免許を放棄すること、全資産の75%を賠償金として支払うことが決められました。加害者が今後5年間で運転することがあれば、罰金として10万ドルが課されることになります。

また、加害者からは事故の責任は全て自分にあったという謝罪の文書が出されました。もちろん、これが、ご家族が辛い裁判を闘った理由であり、一番の成果であったと思います。2年間の長く辛い闘いの末、アリソンちゃんのためにご両親が勝ち取った勝利です。

アリソンちゃんのご両親は、亮君の家族をFamilies for Safe StreetsというNYの交通安全を訴える団体に誘ってくれ、今年2月の亮君の2年目の追悼式にも参加してくれました。亮君の家族にとって大切なご友人でもあります。今回の結果は、亮君の家族にとっても喜ばしいことでしょう。

また、今回の民事裁判の結果はDMVの結果を覆したとも言えるものでした。亮君の事故に関しても、DMVの審理では亮君を轢いた警官は事故を避けることができなかったという判決が出されましたが、民事裁判では別の判決が出る可能性に期待したいと思います。

f:id:help_oyamada:20140406184728j:plain

 もう一つお伝えしたいのはNY市警を相手取った裁判の事例です。(Gothamistより)

2011年10月、当時18歳だった被害者のギランさんは、従兄弟と一緒に歩いていて警察に呼び止められましたが、気づかずに過ぎ去ろうとしたところ、警察に暴力を振るわれ、頭を縫う怪我を負わされました。この模様はパトカーの車両カメラ(VIPER)に記録されていたにも関わらず、警察は仲間を守るために、故意にこの映像を記録することを怠り、事件の7日後にはその映像を削除していていました。

今年9月、連邦裁判所はこの訴訟を却下し、警察はギランさんに7万ドル(約840万円)を支払って和解しました。これはNY市警を相手取った裁判の和解額としては平均の二倍の額になっています。

 

この裁判の記事を読んで、やはり警察は証拠ビデオを故意に削除することもあるのだということを思いました。亮君の事故についても、警察が監視ビデオの映像を編集し、肝心の部分を削除したのではないかという疑惑を弁護士が明らかにしています(前記事)。今回、このギランさんの裁判は、和解となったので詳細は明らかにはならないのかもしれませんが、このような内部隠蔽が日常的に行われていたことも想像されます。

 

この事件は発生から4年という月日が経ってからの和解となりました。亮君の事故からは、来年2月で3年になります。

これら2つの例のように、亮君の裁判でも真実が証明されますように。

これからも変わらぬご支援をどうぞよろしくお願いします。