NO MORE TRAGEDY

小山田亮はNYで語学留学中にニューヨーク市警のパトカーに撥ねられて、24歳の若さで命を落としました。遺族は亮の死に関する真実を明らかにするために、ニューヨーク市警とパトカーの運転手を相手に訴訟を起こしています。このブログでは亮の事故に関係する記事を投稿しています。ウェブサイトもご覧ください。http://oyamada.weebly.com/

NY市警が起こした死亡事故のその後

お久しぶりです。

熊本地震から一か月が経過しました。初めに、被災された皆さまには心からお見舞い申し上げます。一日も早く余震が治まり、被災者の方々が安心して眠られる日常が戻りますように。

 

ーーーーー

 

小山田亮君がNY市警に撥ねられて亡くなったのは2013年2月ですが、そのわずか5か月後に、警察が歩行者を撥ね死亡させる事故を起こしていたのを覚えていらっしゃるでしょうか。(ニューヨーク市警、またも歩行者をひき殺す - NO MORE TRAGEDY

 

この事故で亡くなったのは当時61歳のFelix Cossさん、公立学校で教鞭をとる、スペイン語の先生でした。事故当時、Cossさんは青信号で交差点を横断中で、同じ青信号で左折してきた警察車両に轢かれて亡くなりました。運転していた警官は、携帯電話を使用していたとの目撃証言がありました。(もちろん、緊急走行中ではありませんでした。)

この事故は、その後の経過をメディアで目にすることはありませんでした。

Cossさんが青信号で交差点を横断していたこと、運転手が携帯電話を使用していたという落ち度があることから、私は、おそらく警察が落ち度を認めすぐに和解となったのだろうと思っていました。

 

ところが先月、遺族が裁判で係争中であるということが報道されました。

gothamist.com

 

タイトルは「NY市、死亡した歩行者に落ち度があったと主張。警察車両が交差点で起こした事故において。」

どういう事なんでしょうか。

担当弁護士によると、なんと警察は「歩行者は(交差点を横断するという)危険な行為に参加しているという自覚を持つべきであった」と主張しているそうです。

 

え??????

 

つまり、警察は歩行者が「安全確認を怠った」から起きた事故だと主張しているのです。

 

さらに、警察は目撃証言などの証拠を提出していないそうです。

また、事故を起こした警官は、事故後何の処分も受けていません。

 

全く理解に苦しみます。交通弱者である歩行者が安全確認を怠ったから事故が起き、携帯を使用しながら車両を運転していた警官に落ち度はなく、何の処分も受ける必要がないということでしょうか。

 

横断歩道を青信号で横断していただけの歩行者に責任があるなんて、そんな屁理屈が通って良いのでしょうか。警察側に都合の悪い証拠は提出せず、亡くなった方に責任を負わせようとする、これがNY警察の体質でしょうか。

警察にとって、市民の命より、警察の体制を維持することのほうが大切なのでしょうか。本来、市民の安全を守るための警察では・・・?

 

Cossさんのご家族は、悔しい思いをされているに違いありません。

亡くなったCossさんのためにも、ご家族のためにも、裁判所が正しい判決を下してくれることを願います。

 

f:id:help_oyamada:20160515105724j:plain